olliers(コリアーズ)より、2024年第3四半期(7月~9月)のレポートが発表されましたので、そのうちの住宅に関する内容について共有させて頂きます(第1四半期の記事はこちら)。
メトロマニラの空室率・売買単価につきましては、前四半期よりもオンラインカジノ業の中国人の退去が始まり、より悪化している状況です。
私のお客様のマカティ物件においてもテナント退去が発生しており、オンラインカジノ業のフィリピン撤退が実態として感じています。
具体的な数字は下のグラフの通りです。
空室率の上昇↑により、より借り手市場となっている中で、賃料はほぼ横ばいです。
それでも表面上は下がっていないのは、2024年のインフレが2.0%程度あることであると思料しますが、実質的には下がっていると考えられます。
さて、今回のレポートで衝撃的な記事がありました。
DeepLによる翻訳付きで掲載します。
完成未入居物件に対して、賃貸しながら保有するというRent to Ownは以前から使われている販売手法ではありますが、ついに販売済み物件に対しての値引き(しかも25%)が始まり、それがレポートに出てくるまで表面化してきたという事です。
また、2024年第3四半期現在において、
27,200戸
のコンドミニアム住戸が売れておらず、その売却には5年掛かると述べています(以前は1年であったとの事)。
以下の表から、2024年から2026年までに24,180戸増えると計算できますが、3年間の新規供給数よりも現在の在庫数が多いという事を意味します!
以上から見えてくるのは、どのようなフィリピンコンドミニアムを購入しても儲かるといったマクロに依存した投資方法は通用せず、より物件の選別(ディベロッパー・立地・グレード・共用設備の充実度等)が必要になってきていると言えます。
従いまして、日本人投資家様にお伝えしたいのは、フィリピン現地視察もせずにブローカー等の勧められた物件を購入するのではなく、自分で現地に赴くと共にある程度は自分で市場調査等を行ってから納得できる物件を購入されることをオススメします。
さて、今回のコリアーズのレポートではセブ島・ボホール島・パラワン・バタンガスと言ったリゾート地のコンドミニアムホテル(コンドテル)の市況についても記載しています。
販売価格単価は、₱175,000/㎡~₱590,000/㎡で販売率は43%~100%とのことです。
最低単価である₱175,000/㎡という水準は、マカティの中古物件を購入できる単価ですので非常に驚きです。
参考までにMegaworldが最近販売開始した「The Bellagio Palawan」の記事リンクがありましたのでご紹介します。
立地
名前はPalawanですが、全くもってPalawanではなく空港近くの「プエルトプリンセサ」ですのでご注意ください。エルニドまで車で5時間程度掛かります。
部屋
33㎡のStudioタイプから108㎡の3ベッドルームから構成される12階建て188室のコンドミニアムです。
33㎡の最小の部屋の価格が877万ペソ(約2,280万円)とHP検索で出てきました。
通常10%程度の割引があるとして、789万ペソを33㎡で割りますと、単価は約24万ペソ(約206万円/坪)です。
非常に高いとは思いますが、それでも表面上は売れていることを考えますとそれがマーケットと言えてしまいます。フィリピン人富裕層が、マニラではブレビルド投資が儲からない水準になったため、今度はリゾート物件で同じ蜜を吸う作戦なのかなぁとも感じます。
本物件の西側中層階からプエルトプリンセサの内海が眺められるでしょうが、ビーチではありませんので常日頃訪れて海水浴・犬の散歩等をするような場所ではないと思います。
リゾート物件については、より立地シビアに考えた方が良いと思います。
本物件の場合、プエルトプリンセサ空港のトランジットとしての民泊需要ぐらいしかないのではと思います。
(パラワン空港へ行くAIRSWIFT社をセブパシフィック航空が購入したという報道がありましたので、パラワン空港へのアクセスが改善(便数・料金)された場合、プエルトプリンセサ空港の需要が少なるなる可能性もあります)。
KAKEHASHI Rea Estate
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*インスタグラムを始めました。
フィリピンの不動産にまつわる情報を中心に発信していければと思います。