日々の感染者数が落ち着いてきたとはいえ、まだ2千人~3千人新規感染者が増えているフィリピンでは、当初から政府・市町村の資金枯渇が危惧されていました。
この度は汚職まみれとなっているフィリピン保険公社(Philippine Health Insurance Corp)を資金援助すべく、日本にある不動産を売却するという発言がドゥテルテ大統領よりあったと報じられています。
コロナ対策で更なる資金需要が発生したらという補足説明もあったようですが、売却の可能性はあるでしょう。
フィリピン政府が売却できる資産として、以下が挙げられています。
①六本木:東京都港区六本木5丁目15−5のフィリピン共和国大使館
ここは、リタイアメントビザ取得に必要となる無犯罪証明書のレッドリボン(今は不要となりました)を取りに伺いました。この大使館の中はまさにフィリピンとなり、異国を感じられる場所です。
この建物はパーク・コート麻布鳥居坂となっていますが、現在販売中の当マンション(8,780万円、65.46㎡*443万円/坪)情報を見ると、50年の定期借地権物件であり、土地所有者は「フィリピン大使館」と確認する事が出来ました。
地図上の面積測定で2,800㎡程度あり、前面路線価が1,760,000円/㎡となっていますので公示価格水準で6,160百万円(727万円/坪)。
容積率は300%の地域なので1種242万円で、ディベロッパーの更地取得水準として1種400万円とみれば約100億円となります。
現在は、残期間29年の定借がありその時のマーケットは読み切れないので、今売ろうとすると評価が難しいですね。
②南平台:東京都渋谷区南平台町11−24 旧フィリピン大使館
ネット検索したところ、「世界メディア・ニュースとモバイル・マネー」の記事の中に「1956年に日本政府と締結した太平洋戦争の賠償協定に基づいてフィリピンに移管された不動産のひとつで、面積は約4,800㎡」と書かれていました。
また2008年に入札したが不調に終わったとも書いてありますが、リーマンショック後におこなったのではないかと推測します。
面積を4,800㎡とすると、前面路線価が1,500,000円/㎡なので公示価格水準で9,000百万円(620万円/坪)。
容積率は200%の地域なので1種310万円で、ディベロッパーの更地取得水準として1種400万円とみれば約117億円となります。
③Noniwacho:神戸市灘区曾和町
場所の特定が出来ませんでした。
④Obanoyama:神戸市灘区篠原伯母野山町 ?
場所の特定が出来ませんでした。
各物件ごとに確認してみましたが、②の旧フィリピン大使館は現在使われていないこと、過去の売却しようとした経緯があること、まとまった資金となることから最も売却の可能性が高いのではないでしょうか。
仲田リアルエステート㈱
080-6631-3939
10月6日追記
フィリピン政府の保有する物件概要がより詳細に判明しましたので、追記します。
①六本木:東京都港区六本木5丁目15−5のフィリピン共和国大使館
土地面積:3,179㎡
②南平台:東京都渋谷区南平台町11−24 旧フィリピン大使館
土地面積:2,489.96㎡
③Noniwacho:神戸市灘区曾和町「63」*地番と思われる記述はあるが、特定不可。
土地面積:764.72㎡(商業地)
④Obanoyama:神戸市灘区篠原伯母野山町「1-980-2」*地番と思われる記述はあるが、特定不可。
土地面積:不明(住宅地)
上記東京&神戸の土地は、1956年5月の日本とフィリピンとの第二次世界大戦の賠償協定に基づき譲渡されたものであり、その戦没者の賠償の意味を含めたものであることから、容易に売却することは出来ないとは言いつつも、汚職まみれで資金が必要なフィリピン保険公社(Philippine Health Insurance Corp)を助けるためには選択肢に入れざるを得ない懐事情を大統領は説明しています。
不況と時にのみ優良不動産の売却が行われるという事例となるでしょうか?
仲田
080-6631-3939