(過去記事_2015/11)フィリピンのオフィス市況 その1

以前の記事でフィリピンのオフィス市況が好調であると記載しましたが、公表されているデータから現状のオフィス市況を確認したいともいます。

データ元はコンドミニアムでも参照させて頂いている世界的な不動産会社であるColliers Internationalです。
まずは空室率を確認します。20151107121725899

投資すべき案件は、今後の賃料上昇余地の高い=収益価格に基づくキャピタルゲインがもっとも狙えるプレミア物件です。好立地かつ高スペックオフィスを意味します。日本で言うのなら、丸の内の丸ビル等をイメージ頂ければと思います。
2013年第3期の2.9%を頂点に2%以下で推移しており、ボトムを記録した2014年第3Qは0.21%です。この0.21%というのは、まさに現在の丸の内のオフィス空室率と同程度です。


一般的にオフィスの空室率が5.0%は自然空室率と言われており、テナントの入れ替わりの際に生ずる退去からテナント入居までの期間に基づく空室率であり、不動産ファンド会社が査定する場合、この空室による賃料減少分を考慮して投資価格を査定します(なお個人投資家等が検討する物件は、100%稼働前提のグロス賃料が前提となっています)。例えば5年入居したテナントが退去して、新たなテナントが入居するまでに3か月要したとすると5.0%の空室率といった感じです。

さて、なぜこの5%が重要かと言いますとこの5%を境に賃貸人と賃借人の力関係が逆転するからです。例えば、賃貸ビルを保有・運営している場合でその1テナントが退去したときに、周辺競合ビルが満室稼働していれば賃料を下げる、レントフリーを付与する必要がなく、容易にリーシングが可能となります。また95%で安定稼働して経費、借入金利を返せているのであれば、時間をかけてでも高く貸そうといる心理が働きます。
結果として、空室率が5%を切ってくると賃料の上昇が始まってきます。

以上のことを頭に入れて、上記期間におけるフィリピンのオフィスの賃料推移を見てみましょう。
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2015年第2Qにおけるプレミアムオフィスの賃料単価は1,202ペソ/㎡(≒10,300円/坪)です。
約2年前から現在までに17%(年率8.5%)増加しており、更に1年後には4.5%の増加予想となっています。

実際のプレミアムオフィスビルの賃料相場について、AYALAの担当者より情報を頂いていますので、物件名を特定して「オフィス市況その2」で見てみたいと思います。

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