コリアーズから2018年1月~3月におけるフィリピンコンドミニアム市況レポートがアップデートされました。
総論として、
①価格:上昇
②賃料:ほぼ横ばい
③空室率:改善傾向(だが高止まり)
と結論付けしています。
今回のレポートではマンションバブルではないかとの一部マーケットの声に応えるように、彼らの見解を述べている点が興味深く感じられました。
では細かく見ていきたいと思います。
①価格
価格については、全四半期と比べ2%~4.5%上昇を記録。今後もプレセリング物件の好調な売れ行き並びにドゥテルテ大領領による「Buid Build Build」政策に代表されるようなインフラ整備により年率8%~10%の価格上昇が2020年まで続くと予想しています。
また最も高いコンドミニアムの価格は400,000ペソ/㎡(約278万円/坪)で取引されており、この水準は今後売り出される新築物件により突破される見込みです。噂ではボニファシオグローバルシティの野村プロジェクト(Sunshine Fort)もこの水準前後、グランドハイアットレジデンス第2はこれを上回る水準ではないかと言われています。
それと今回初めて現在の中古物件を含む取引価格水準というものが6年前の水準と並べる形で発表されています。
肌感覚として下記水準が取引水準と近い感じがします。湾岸エリアの価格の伸びが思った以上に進んでいると感じました。
②賃料
賃料に関しては引き続き大量供給が続く現状においては、ほぼ横ばいで推移しています。次で述べる空室率の改善傾向により賃料が下がっていくという傾向ではなくなりつつあるようです。なお供給が落ち着く来年からは年率1%~3%上昇すると予測しています。
③空室率
特にBay Area(湾岸地域)の空室率改善が顕著でマカティエリアも改善傾向を示しています。理由としては湾岸地域への中華系企業の進出による従業員の住宅需要(役員はマカティエリア)を挙げています。ボニファシオグローバルシティは堅実な実需があるものの引き続き新規供給が続いているので空室率は高止まりしています。
またコリアーズでは2021年までは引き続き大量の新規供給が続くため、12%~16%の空室率が続くものと予想しています。
なぜ現在のフィリピンの住宅市場がバブルではないと考えているかの見解については、次回記事のその2に記載したいと思います。
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代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)