コリアーズの2018年第3四半期のレポートが開示されました。
このレポートは頻繁にその様式が変わっているのですが、開示される情報が徐々に少なってきているのが気がかりです。今回からは、各地域ごとの空室率情報が無くなり、メトロマニラ全体としての空室率が11.3%から10.8%に改善されたという情報のみとなっています。
さて本レポートでも2016年第4Qからの顕著に中国企業がマカティ・BGC・ベイエリアでオフィスを構え、そこで働く従業員の住宅需要により好影響を与えていると述べています。
なお今回特筆すべき点としては、ベイエリアの今後の供給増加により2021年までにマンションストック数がマカティを超えると予想している事です。以前のレポートでは、かろうじてマカティの方が上回っていましたが、湾岸地域で判明したマンション供給により、800戸上回るようです。
従って、2021年時点でのマンションストックの多い地域は下記の順番となります。
No1:BGC 40,700戸
No2:ベイエリア 29,500戸
No3:マカティ 28,700戸
No4:オルティガス 20,100戸
今はモールオブエージア横のSMDCくらいしかコンドミニアムはありませんが、今後はMegaworldを含め開発が進みまたアヤラモール等の生活利便施設も出来てくることで、マカティ・BGCとの住宅エリアとしての人気並びに価格&賃料がどう変わっていくか、非常に興味深いです。
日本の湾岸地域のように新しい区画整然とした街にモールがあり高層マンションが建ち並び、都心への近接性により人気を博すが、価格&賃料については従来の港区等の住宅地の方が高いという棲み分けとなるのでしょうか?
さて、具体的に見ていきます。
賃料については微増であり、今後も大量供給が続くことから1%程度の微増予想となっています。
これだけ大量供給されているにもかかわらず、下がらないことに驚きです。
価格については、強い上昇傾向が続いており前クオーター比でマカティ+3.8%、BGCは+5.0%と大幅な上昇を記録しています。
ちなみに過日発表されました野村不動産&三越伊勢丹PJの販売価格は350,000ペソ/㎡ですので、当該地域のレンジ幅を大きく上回っていることがお分かりになると思います。このグラフの上限が264,000ペソ/㎡です。
当該PJが竣工する時には、当時は高く感じたが今思えば安かったという事になっているでしょうか?!とても楽しみです。
2019年から2021年予測においても2.8%~3.2%の予想となり、価格については強い上昇傾向が続くものと見られています。
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代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)