連日中国オンラインカジノ業(POGO)の動向をお伝えしていますが、大きな動きがありました。
中国側から要求していたフィリピンでのオンラインカジノ業を禁止してくれという政治的動きに対して、今週月曜日に
「新しいPOGO業の免許を発行することを中止する」
ことを決定しました。
再開の条件としては、現在の懸念事項等が全て対応されるまで、中止されると述べています。
中国政府はこの動きを歓迎しており、更には現在発行済みの58の免許についても取り消しするよう働きかけを強めています。
不動産業への影響ですが、下記の記事にてコリアーズ等からのコメントが記載されており、POGO業免許の新規中止によりオフィスの新規需要減少、中国人従業員の来比人数の減少により不動産業のスローダウンは避けられないだろうが、健全な価格/賃料の調整はあるのではという見解を示しています。
個人的な見解ですが、この免許の新規発行中止が長く続くようであれば不動産市況への影響は大きくなるものと考えられます。
また、その影響は地域によって大きく異なるのではないかとも思います。
というのは、POGO業は湾岸地域への集積傾向が強かったことから、コンドミニアムの価格/賃料について、マカティ・BGCを上回る水準となりつつあった中で、もし中国人従業員が退去した後にフィリピン人がそこの住宅を買いたい/借りたいという嗜好が強くないと考えらえますので、湾岸地域での調整幅は他の地域と比べて大きくなるものと考えられます。
なお、現時点で湾岸地域のオフィス空室率は1%を下回り、新規のコンドミニアムの供給が限られる中で、禁止となったのは新規に対する規制のみですので、現状のPOGO業が撤退せずそのまま推移するのであれば、湾岸地域も大きな影響は無いとも言えます。
違法なオンラインカジノ業を禁止したい中国政府からの規制とフィリピン政府も軍事拠点の近くにPOGO業オフィスが有ることによるスパイへの懸念・フィリピン国民の領有権問題から生ずる中国人への反発から、不安定な土台で事業を行うオンラインカジノ業の動向について、随時報告していきたいと思います。
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代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)