5月12日にマニラ首都圏が5月31日までロックダウンが延長されることが発表されました。
今回の3度目の延長で、
当初:3月15日~4月14日
1回目延長:~4月28日
2回目延長:~5月15日
3回目延長:5月31日
と合計すると78日にもなります。
調べてみると、震源地の武漢のロックダウンは1月23日から4月8日の77日なので、それよりも長く世界一の長さとなる見込みです。
感染が急拡大しているロシアでさえ、ロックダウンを解除する世界の情勢に反して更に延長するという事は、コロナの感染者数・死亡者数が数字に反映されていないところで悪化しているのではないかと考えざるを得ません。
(本日時点のフィリピン全土の感染者数は11,350人、死亡者数は751人とほぼ日本と変わらない水準です。感染者数は200人前後で増え続けていますが、死亡者は20人と微増に留まっています。)
また世界有数の過密都市であるマニラは、経済効率としては良いのかもしれませんが、対コロナに対しては真逆の悪影響が大きいのでしょう。
演説から大統領はコロナの第2波3波の抑えるべく、WHOの提言に従い慎重に経済活動を再開させる事に重きを置いている事が伺えます。
なお、5月16日以降はある一部の業種(13日以降発表予定)での営業再開・公共交通機関の再開等緩和されるとの報道ですが、その他の人々の外出制限は変わらない見込みです。
更なるロックダウンの延長決定を受け、政府から2回目の貧困者向け支援策も予定されています。
しかしながら、住民登録がされていない人が多いフィリピンでは彼らには支援の手は届かないでしょうから、長期のロックダウンでコロナ死よりも餓死の方が結果として上回るのではないかと心配しています。
結果として当該ロックダウンを受けて、経済に大きく影響が出始めています。
2020年の1月~3月のGDP成長率は、▲0.2%と20年ぶりのマイナス成長を記録しました。
国全体のGDPの70%を生み出すマニラ首都圏が2ヶ月ロックダウンという事なので、4月~6月の第2四半期は2桁のマイナス成長となると見られており年間成長率も▲2.0%まで悪化するとみる調査機関(Moody’s)も出て来ました。
またロックダウンにより、93,000軒の店舗の一時閉鎖等により250万人の解雇されたと労働省が発表がありました。
2020年1月時点の失業率は、5.3%でその際の失業者数が239万人でしたので、ロックダウン解除後も再雇用されなければ失業率が10%越えとなるでしょう。
ColliersやLeechiuが本年度のマーケット予測を出した時の想定よりも、ロックダウンの期間が長くなったことによる景気後退により不動産へのネガティブな影響が強まっているのではないかと感じています。
最後に、ボニファシオグローバルシティの現状についてお話しますと、先週から点滅だった信号機が通常に戻りました。
BPO並びに飲食業従業員の送り迎えの為の車の増加が著しく増えてきたのと、Grab food, Foodpandaのデリバリー用バイク・自転車が走り回り、日中はロックダウンが解除されたような雰囲気となっています。
(以前の渋滞だらけという水準には戻っていません。)
スーパーマーケットの品揃えはロックダウン前と変わらないほどになってきており、入場制限もほとんど無くなりました。
“Today is hard, tomorrow will be worse, but the day after tomorrow will be sunshine”
-Jack Ma.
仲田リアルエステート株式会社
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仲田 一成 (なかた かずなり)