フィリピン_ロックダウンでレストランは半分に?

3月15日から開始されたマニラのロックダウンは3度延長されましたが、5月16日以降は一部モールも開店し、賑わいを取り戻しつつあります。

しかしながら、心配な店舗業種があります。

それは、店内での飲食を前提としたレストラン・カフェです。

 

仮に6月1日からより緩和された制限(GCQ, General Community Quarantine)に移行したとしても、レストラン・カフェの営業は「Take out」のみしか(現在のところ)営業を許されておりません。

(なお同じ制限下にある床屋・美容室は、闇営業が横行しています。)

タピオカミルクティーやカフェ店・アイスクリーム店等のTake outが中心で、店内の客席数が少ないお店であれば、Take outのみの営業でも利益を生み出し営業を続けることが出来るでしょうが、飲食スペースを広く取った夜の営業を中心とするレストランは、その経営が非常に厳しいことは容易に想像できます。

また夜間外出制限(20時~5時)も引き続き課されているので、(Take outのみですが)夜の営業も出来ません。
(*日本の自粛とは異なり、フィリピンでは法令違反です。)

 

そのような飲食業の辛い状況について、実際にレストランチェーンの経営者から以下のコメントがありました。

・現在16,300あるレストランは、ロックダウンが解除され店内での飲食が認められる時までに(政策変更がされなければ)8,000店舗程度になっているのでは

・レストラン業で49万人の雇用を生み出している(全労働者の2%に相当)
→現在多くの従業員が一時解雇されている。

・店内飲食が認められたとしても、social  distanceを確保するために約半分程度しか入店出来ない事から、特に賃料の高いエリアの店舗は黒字化出来ない(閉店せざるを得ない)だろう

 

 

賃料の高いエリアのレストランという事は、高い売上が見込める地域とも言えますので、そのレストランが店内飲食できない・Take outするにしてもキッチンさえあればよく飲食スペースは不要となるので、その高い賃料を払う必要はない(払えない)事となりますので、必然的に退店するお店が増えていくのではないかと思います。

また店舗所有者が賃料をTake outで生み出される僅かな売上の15%前後まで下げる事は不可能です。

 

日本のニュースでも営業自粛によりお店を1カ月半閉店せざるを得なかった経営者から悲鳴の声が届けられていましたが、フィリピンの場合それが既に2ヶ月半におよび、しかも今後暫く(+1、2ヶ月?)はTake outしかできない状況が続くものと考えられます。

 

昨日再開したOne Bonifacio High Street Mallを散策(タギッグ市発行のQuarantine Passを持っている人のみ入場可能です(マカティの人は入れません)。またこのPassは家族で1枚なので子供連れで行ってもモールの中には1人しか入れません。)して来ました。

ロックダウンが継続されている事から、館内にいた人は合計10人以下の閑散とした雰囲気の中、飲食店舗の一部は既に撤退を決めたように見受けられるレストランもありました。

 

 

本モールの中の店舗にお好み焼き店の「ぼてじゅう」があるのですが、Take outを開始していました。

しかしながら、この高級モール内にて広い店舗を維持していくのは非常に大変であることが容易に想像出来ます。

 

 

なお、別業態ではありますが大きなスペースが必要であり今後の再開見通しがつかないヨガ施設(Yoga Plus)が、BGCとマカティの店舗を5月31日に撤退することを決めています。

 

BGCという賃料の高いエリアにおける店舗出退店動向について、今後も注視していきたいと思います。

 

仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
仲田 一成 (なかた かずなり)

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