本記事は、フィリピンにおいて不動産開発をする場合における開発協力金について、書きたいと思います。
日本で不動産開発を行う場合、その不動産の属する市町村等の開発指導要綱に基づき、開発協力金の支払いや敷地の一部を公園等に提供をする必要がある場合があります。
フィリピンにおいても同様の規定が設けられておりますが、低所得者向けの住宅を建設する事或いは当低所得者向け住宅開発資金を提供することが主目的となっています。
なお、当協力金を支払わないと開発プロジェクトの戸建・マンションの販売許可を得ることが出来ないという仕組みとなっています。
具体的には、土地代を含む総開発費用の3.0%相当額を納める必要があります。
(*総開発費用=実際の土地取得費用&建設費用相当額と同額とならないのがフィリピンです。)
従いまして、大規模なコンドミニアム開発となりますと、その金額も大きくなります。
今回参考例として、ボニファシオグローバルにて野村不動産と地元のFederal Landが開発しているThe Seasons(4棟構成で、HARU, NATSU, AKI, FUYUと名称付け)の開発現場にて、案内看板に当該金額が書いてありました。
なお当コンドミニアムは、フィリピンに「そのまま日本を持ってきた」ような絢爛な内装工事が施されたモデルルームを鮮明に覚えています。
(*なお引き渡しの状態は、床壁天井が付いているだけの状態ですのでご留意ください。)
以下の案内看板によると、開発負担金として
108,333,491.03ペソ≒2億6千万円
を支払ったと記されています。
プレセールで販売している56㎡の1BRの価格は約1,800万ペソなので、販売価格でおおよそ6戸分(総戸数の0.4%)なので、プロジェクトへの影響は軽微であると言えます。
金額としては安くは有りませんが、プロジェクト全体の規模・総費用から考えますと、大きくないという印象ですので、その背景を少し探ってみたいと思います。
この費用を3%で割り戻すと総プロジェクト費用は、
約36億1,100万ペソ(約86億6,600円)
となります。
野村不動産の本PJのプレスリリースによると、
土地面積:15,000㎡
建物面積:住宅120,000㎡ 店舗28,000㎡(合計:148,000㎡)
と記されています。
総プロジェクトを土地面積で割る(36億1,100万ペソ/15,000㎡)と、24万ペソ/㎡です。
ボニファシオグローバルシティの土地代は100万ペソ/㎡はしますので、Zonal Valueに基づく土地単価を採用して計算していることから総費用が抑えられ、結果開発協力金が少なく済んでいるものと思料します。
*1ペソ=2.5円程度となっており、2015年以来の円安傾向となっています。
円安の間にフィリピンのコンドミニアムを売却したいというご依頼・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
仲田リアルエステート株式会社
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フィリピンの不動産にまつわる情報を中心に発信していければと思います。