様々な調査機関からGDPの将来予測が出ていますが、今回はゴールドマンサックスより2075年という、53年先という長期的な予測が出されました。
(逆に今から53年前となると1969年となり、当時はその後の日本の躍進など誰も予想していなかったでしょうから、この2075年予測も参考程度と取られた方が良いかとは思います)
(PWC社:2050年予測こちらを参照ください。)
(Centre for Economics and Business Research(Cebr)社:2036年予測。こちらを参照ください)
本レポートは、主要な34か国のみを対象としており例えばフィリピンのライバルであるベトナムが含まれていない、1人当たりのGDPが高い北欧諸国が入っていないなどの世界ランキングとはなっていないことには留意が必要ですが、対象国間でのランキングでその趨勢を把握することは可能です。
では、内容を見ていきます。
①2075年GPDランキング
1位から15位までをグラフにしたものが上記のランキングです。
日本:12位
フィリピン:14位
ついにフィリピンが日本と経済的に対等な地位となる日が来ることを予感させてくれます!
もしかしたら2080年予測では、日本とフィリピンが逆転する可能性もあり得そうです!
その差が何故縮まるのかは、今後の経済成長率の差が明らかにしてくれています。
日本は2000年以降、1%前後しか成長できておらずまた今後50年も1%以下の低成長が見込まれています。
実感としては、ほぼ成長なしと言えると思います。
一方フィリピンは、2千20年代~40年代まで4%超、50年~60年代は3%台、70年代でも2.7%の成長が見込まれていることを背景に、日本とフィリピンとの差が近接するという結果となっています。
以上の経済成長率の違いにより、2020年時点では日本の7.7%しかないフィリピン経済規模が2075年には88%にもなるとの予想となっています。
なお、上位3位の中国・インド・アメリカの3強は頭一つ飛び抜けており、その他は団子状態であることから3位以下の国のランキングは設定条件次第で入れ替わるだろうとも感じられます。
②ランキング推移(アジア)
2000年から2075年におけるアジア7国のランキング推移をグラフにしてみました。
我が国日本は、2000年に2位(1人当たりのGDPはアメリカを抜いて1位!)でしたが、その後は順位を落とし続け12位にまで落ちると予測されています。
フィリピン(赤線)は(32国のうち)27位と低迷していましたが、明るい未来が予測されており日本の後ろ姿がとらえられる14位まで急上昇していく見込みとなっています。
つまり2075年における経済規模として、フィリピンはタイ・韓国・マレーシアよりも大きく、ほぼ日本と同規模の経済国になっていることを意味しています。
③1人当たりのGDP(アジア)
最後に1人当たりのGDPのランキングを作成しました。
ゴールドマンサックスの当レポートでは、日本の2000年における1人当たりのGDPはアメリカよりも大きく、世界No1でした。正真正銘の「日本すごい!」で「世界がうらやむ」状態であったということです。
また昨今言われている通り、当レポートにおいても2030年には韓国に抜かれてしまうという予測となっています。
なお、2040年以降については順位の入れ替えが起きていません。
想像するに、それ以降の国ごとの経済予測が難しいことから大きな変化がない前提で同率で推移する前提となっているのではないかと感じます。
従いまして、①の2075年のGDPランキングは最も将来予測のブレが小さい人口の増減という要因に大きく依拠したものとなっているのではないかと思いました。
2020年現在においては、フィリピンの1人当たりのGDPは日本の8%という「象が蟻を踏む」ような規模でありますが、2075年時点においては半分弱(43%)となっている可能性を示しています。
53年後というどのような世界が広がっているか全く持って想像できませんが、フィリピン不動産という観点においては経済成長に伴い不動産価格の長期的な上昇を期待させるレポートではないかと感じました。
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フィリピンの不動産にまつわる情報を中心に発信していければと思います。