(過去記事_2015/6)フィリピン人の給料

最近賃貸相場を調べる機会が多くなり、投資物件の賃料水準が高いなぁと感じたので、フィリピン人の給与水準について調べてみました。

まず比較のために、賃貸物件の主要需要者である25歳から39歳までの東京都で働く人の給料を見てみたいと思います。
出典は、総務省の「平成26年賃金構造基本統計調査」の一般労働者から引用しています。

そのデータによると上記年齢の月額給料は、
25歳~29歳:約30万円
30歳~35歳:約35万円
36歳~39歳:約40万円
で平均35万円(ボーナスを含めない)となっています。

次に1Rマンションの家賃ですが、Homesに便利な指標がでていましたのでこちらを参照したいと思います。
homes 賃貸相場

これによりますと、調査時点での千代田区:112,300円を最高値とし、東京都の全体平均家賃は68,500円でした。
HomesのHPで駅別でも調べることができ、私の住んでいる「池袋駅」は87,800円でした。

以上のデータより、収入に占める家賃(東京都平均)の割合を見てみますと、
25歳~29歳:68,500円/約30万円=23%
30歳~35歳:68,500円/約35万円=20%
36歳~39歳:68,500円/約40万円=17%
となり、サラリーマンの実態に近い家賃相場として「池袋駅」での割合は、
25歳~29歳:30%
30歳~35歳:25%
36歳~39歳:22%
であり、家賃は収入の30%以内に抑えましょうと言われる基準と近いものとなっています。
同様にフィリピンについて、収入についての資料がアヤラ・コーポレーション調べによるデータがありましたので記載します。
これにはマニラ地域での階層別勤労者の世帯収入が記載されており、
①大企業幹部や医師などの専門職:135,000ペソ(約365,000円)以上
②大企業管理職や政府高官:65,000ペソ~135,000ペソ(176,000円~365,000円)
③ホワイトカラーや熟練技能者:25,000ペソ~65,000ペソ(67,500円~176,000円)
④非熟練労働者や零細事業者:10,000ペソ~25,000ペソ(27,000円~67,500円)
となっています。

Studioタイプの投資用物件の主な賃借人は②ないし③になるかと思われます。

次に家賃相場ですが、私がヒアリングしたSMDCブランドのStudioタイプ(24㎡)でオルティガスや湾岸地域(Mall of Asiaの近く)で概ね15,000ペソ~20,000ペソとの事ですので、平均値の17,500ペソ(47,000円)として収入に占める家賃比率を求めますと、
②:13%~27%
③27%~70%
とはじき出されます。
②の大企業の管理職の人が一人で住んでいることはあまり想定できないので、実際の賃借人は③のホワイトカラーでの一部の高給取りの方がメインターゲットとなるものと思われます。あるいは多国籍企業の単身赴任者といったところでしょうか。

そう考えますと、現在もまた将来においても大量に供給されるStudioタイプの戸数と家賃負担力のある賃借人の数が合わず、常に超過供給の状態にあり、テナント探しで苦労しているのではないかと思います。

従いまして、Studioタイプを検討する場合は少しでも賃借人が見つけられるように、他物件との差別化が図れる物件、つまり、
①立地の優位性・希少性(交通利便性・買い物利便性、開発余地が限られている)
②マンションのアメニティの充実度並びに他の物件と差別化ができるか
③ユニットの位置(最上階住戸・眺望が確保できる)
④ディベロッパーのブランド力
がより重視されるのではないかと思いました。

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