Colliers フィリピン不動産最新マーケット情報(2016年第1Q)

Colliers(コリアーズ)から四半期毎に発表しているフィリピン不動産の市況について、2016年の第1期(1月~3月)を含めたデータをまとめましたのでお知らせします。

その前にフィリピンの経済状況ですが、この期のGDP成長率は6.9%(年率計算)と大きく成長しています。

現地のフィリピン人は年度毎に自分の給料が増えていくことを実感できているのでしょう。GDP成長の70%を占める家計消費の増加率7%が大きく寄与したとの事です。消費が爆発的に増えていく水準と言われる3,000ドルが目の前であるフィリピンですので、今後も力強い経済成長が見込めるのではないかと思います。

(ところで日本は、今回のアベノミクスと呼ばれる金融緩和では経済成長は達成できないことを自ら実験して証明してしまったので、新たな手段を講じて株価だけではない本当の経済成長を実感したいものです)

またインフレ率は1.1%と政府の目標インフレ率2~4%以内ですので国民は生活実感としての給料増加を感じられているでしょう。

さてレポートの内容について、まずはコンドミニアム(住宅)です(次回にオフィスを書きます)。

以前の同レポートでは価格・賃料は横ばいないし、下落傾向にあるとお伝えしましが今回のアップデートで変化があったのか詳しく見ていきたいと思います。

①賃貸市況

下記に添付しましたグラフを見れば一目瞭然ですが、予測値ではなく実際の数字としても2015年末を頂上に賃料が弱含みになり始めたことがお分かりか思います。

condo_rent_1q2016

なぜ急激に賃料が下がったのか、皆さんお気づきかと思いますが新規の大量供給です。

2013年頃にディベロッパーは作れば作るほど売れることから、こんな美味しいビジネスはないと思い多くの土地を仕込み開発を進めたのでしょう。そのような物件が2015年/16年に竣工を迎え、不動産市場に需要を上回る大量の供給となっています。

なお2016年末までには、マカティで3,660戸(2014年までの累計の20%)、ボニファシオに至っては同35%の大量供給が予定されていますので、短期的には空室率の増加➡家賃の減少傾向が続くものと思われます。

以上の通り、特に高級物件の空室率は上がってきてます。

condo_vacancy_1q2016

②売買価格

売買単価については2015年第3Qから横ばいです。2年半で2割前後上昇していますので、更なる上昇には海外投資家が限られる中では、時間(経済成長)が必要かと思います。

しかし、長期的には魅力的な市況であることは変わらないので、海外投資家の投げ売り高級物件が150,000ペソ/㎡で手に入るのであれば「買い」でしょう。

condo_capial value_1q2016

以上の内容はマーケット全体としてのお話であることを、注記させて頂きます。

つまり、フィリピン不動産全体としては短期的には価格上昇・賃料上昇が見込みづらいマーケットになりつつあるので、

より物件の立地・特性・ディベロッパー等の優良物件を選別する「知識」が必要となるステージに入っていることを意味します。

 

セミナーに参加されてフィリピン不動産は「買い」ですと業者の方に言われて検討されている方もいらっしゃるかと思います。

しかし、上記のグラフでもお分かりの通り全体として全員が勝てるステージは終わっていることを頭に入れて、より物件の選別し、なぜこの物件が良いのか、この物件の売りは何なのか、自分の投資戦略は何なのかをじっくり考え、投資されることを強くお勧めします。

もし、ご質問等ありましたらメールにてお問い合わせ頂ければと思います。私もわからない事であれば、現地フィリピンの売主担当者(友人)に聞いて回答申し上げます。

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