コリアーズ(Colliers)フィリピン住宅マーケットレポート_2Q2017_その2

コリアーズ住宅マーケットの続きです。

前回は、主に新規供給量を中心にまとめましたが、今回はその新規供給を受けての空室率予測についてを書きたいと思います。

おさらいとなりますが、各地域の新規供給予測を再掲載しますので、これと下図グラフの空室率推移を比べて貰えればと思います。

New Condo Supplies_2

2Q2017_Vacancy rate

まずMakatiですが、2017年第1Qは10.9%の空室率でしたが、第2Qでは12.7%に上昇しています。また来年の同期には13.4%まで上がるものと見込まれています。という事は新規供給が多いのではと上の新規供給数を見ますと、2017年は現在庫の16%相当数が新たに供される予定となっていることがお分かりになるかと思います。

ボニファシオグローバルでも12.4%の空室率が14%となっていますが、来年度は13.7%とやや下がる見込みとなっています。供給予定数を見ますと、マカティ以上の比率の供給数となっていますので、新規需要数がマカティよりボニファシオの方が多い、ないしは来年の新規供給は第三四半期以降に予定されている等何らかの理由が有りそうです。

2018年の新規供給数8,200戸というとてつもない数をこなすには相当の期間が必要でしょう。

 

一方で新規供給が少ないオルティガスでは6%台の空室率を保つ予想ですので、賃料の下落も限られるかと思います。

なお今期のレポートからEastwood Cityという聞きなれない街が登場しましたので、まずは場所の確認です。クバオの南東側、オルティガスの北東側に位置する川沿いの街のようです。

Eastwood City

Wikipediaによると、Megaworldにて1997年に開発された12棟の高級コンドミニアムとBPO向けオフィスビルが林立する先駆け的な街で、現在も新規のコンドミニアム建設は進んでいますが、その数は少なく、空室率はオルティガス同様、6%台で安定しています。

 

以上の通り、新規コンドミニアムが需要数を超えて大量供給がある地域は、空室率が上がっていることがお分かりになったかと思います。

ボニファシオグローバルの空室率は更に上がるでしょう。しかし、新規供給できる土地は限られる、つまり土地は少なくなったからと言って車のように新たに同じ場所で同じものを作ることが出来ませんので、土地が無くなると自然と住宅の供給数は減ります。

またフィリピンは人口が増えている国ですので、自然と需要が増加していくという点が日本での住宅市況と異なります。

従って、今後3年間程度におけるボニファシオグローバルでの賃貸市況は苦戦するでしょうが、このすべてのコンドミニアムが竣工し人々が住み始めたときには、その衣・食を満たす、あるいはその消費を狙った大量のお店・レストラン・スーパーマーケットが建設されている事でしょうから、街並みの多様性は他の街の追随を許さない規模になっているのではないかと考えられますので、現在でも比較的安全で整備された街として人気ですが、更なる利便性の向上により最も人気の住宅街としての地位を確保している可能性は高いでしょう。

 

以上から、住宅投資を考えるのであればやはりボニファシオグローバルは外すべきではなく、ポーフォリオバランスとしても1物件押さえておくべき立地であると思います。

*本記事をお読みになり、ボニファシオグローバルにある物件に興味をお持ちになりましたら、ぜひご連絡ください。現地調査も同行させていただきます。

またフィリピン不動産投資に関するご不安な点・不明点等につきましても、私の実体験からのご説明を申し上げさせて頂ければと考えています。

仲田

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