フィリピンの8月の消費者物価指数(インフレ率)が前年比+6.4%となったと発表されました。
この水準は2009年3月以来の高水準であり、前回、政策金利変更の記事でもお伝えしております通りフィリピン中央銀行が目標としている年間インフレ率上限+4.0%をこのまま推移していくと超える水準となりそうです。
マニラ首都圏においては、このインフレ率が更に高いようで7%程度の水準となっているようです。価格上昇の高い物としては、飲料水等の食糧価格の上昇が主にしめており、その他家財関連等も上がっています。
なぜこのようにインフレ率が高いのかいうと、価格が上がってもそれを支払う購買力が衰えていないという単純な理由です。
日本のインフレ率が上がらないのと理論は同じです。
日本では人口が減少していますので、物・商品を欲しいという需要は日々減っています。特に食料品等については、高齢化により1人当たりの消費量も同時に減っていきます。
つまり需要が減っている中で、(供給量が変わらなければ)価格は上がりません。
ですので、日銀が金融緩和して消費の拡大を誘い、インフレ率2%を達成しようとしても、日本の人口の主要な割合を占めるご年配の人たちには物・商品は既に手元にあるので、お金が増えても物・商品を買い替える・新たに買う動機付けにはなりません。
フィリピンでは平均年齢23歳という消費意欲の高い人たちがメインのマーケットで、人口も増えていますので需要は日々増えています。ですので、インフレ率が高くなり過ぎ消費意欲が減退しない範囲において中央銀行は政策金利を上げることで、経済活動を抑える必要があります。
その為、今月27日に予定されているフィリピン中央銀行会議にて、政策金利を現状の4.0%から0.5%上げて4.5%にするのではないかと、多くのエコノミストは見ている模様です。
対ドルではペソの下落も続いています。対円では大きな変動はありませんのでドル高といえるかと思います。
今後、フィリピンの実体経済の大きな落ち込みが無く、為替のみ円高となれば不動産の仕込み時期としては良い時期が訪れる可能性もありますので、今月末に予定されている政策金利動向も含め注視していきたいと思います。
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代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)