今回、マカティの中心部における実際の土地取引価格の把握が可能な情報がありましたので、共有致します。
マカティのサルセドビレッジ内のMakati Sports Clubの敷地の一部(7,000㎡、2,118坪)が入札となり、
複数のディベロッパー等が札を入れアヤラランドが最高値で落札した模様です。
その価格は、40億ペソ(約84億円)です。
単価は、約P572,000/㎡、円ベースですと約400万円/坪です。
(なお、この記事ではそもそもこの土地はアヤラグループが1970年代に売却したものであるとも述べています。)
場所はサルセドビレッジの中心に位置します。
今となってはこれだけまとまった土地はほぼ無いので、希少性の高い土地と言えると思います。
Lee Chiuが発表しているマーケットレポートでは、マカティの土地取引単価は40万ペソ~120万ペソとなっていますので、この取引単価はマーケット相場相当の取引と言えそうです。
本件の希少性からはやや安いのかもしれません。
それにしても、フィリピンの土地価格の上昇率は素晴らしいですね。
土地を買って寝かせておくことが最高の投資方法と言えますが、このような希少性のある土地はほとんどマーケットには出てこないでしょう。
なお、今回の情報が貴重なのはその取引価格もそうですが容積率(FAR)の情報もあることで、1種単価の把握も可能となっています。
今回の土地は容積率:800%の地域に指定されていますので、土地面積の8倍まで床面積を建設することが出来ます。
つまり、土地単価を容積率で割ることで1階当たりの土地取得価格(コスト)が分かります。
本事例の場合、約P572,000/㎡を8で割ると1種P71,500/㎡、約50万円/坪でアヤラランドは入札に参加したことが分かります。
このオフィスを区分所有権で売却することを想定した費用を計算します。
土地代は、上記の1種単価のP71,500/㎡に販売可能な面積割合(エントランス・廊下は売却出来ないので)を60%(建物グレードにより変わります)
に設定すると、約P120,000/㎡になります。
建物の建設単価に設計費用等もろもろを入れてざっくりP50,000と見積もります。
また販売管理費等をP30,000/㎡と計算し、総費用合計は、P200,000/㎡(約140万円/坪)となります。
今アヤラランドがこの立地でオフィスを販売する場合、その販売単価はP25万~30万/㎡になろうかと思います。
P25万で販売すれば、アヤラランドの利益率は25%
P30万で販売すれば、アヤラランドの利益率は50%
以上からも、売却するのであれば売値は30万/㎡を目指すのではないかと思います。
もしくは、将来のREIT物件に入れるのかもしれません(彼らにとってはプライム立地とは言えないので、可能性はあると思います)。
仲田リアルエステート株式会社
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代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)