以前の記事にて、中国のPOGO企業のおかけで、現在のマニラのオフィス市場が貸手市場となり賃料が上がっているとお伝えしましたが(当該記事はこちらをご参照ください)、今まで主要産業とされていたBPO(例:コールセンター)を追い抜き、POGOが新規供給オフィス床を借りるテナントとして市場を席捲していく勢いです。
過去19年間オフィス面積を使う業種としてNo1に君臨してきたBPOですが、このPOGOが今年ついにその座を奪う可能性が高いと述べています。
POGOは2019年前半だけで
湾岸地域:139,000㎡
マカティ:46,000㎡
ケソン市:40,000㎡
オルティガス:9,000㎡
アラバン:8,000㎡
の合計242,000㎡(73,205坪)を新規で借りており、1年間では450,000㎡に達すると不動産調査会社は予想しています。
対して、BPO関連は同期で244,000㎡でほぼ並んでいますが、今年後半を勢いを考慮すると逆転するとみているようです。
(*なおボニファシオグローバルシティがリストに入ってきていないのは、アヤラを中心とした財閥は、このPOGO産業へのオフィスリースを禁止しているからだと考えられます。従って、BGC内での中国人の数は明らかにマカティと比べて少ない現状となっています。)
またこのPOGOで働く毎年50,000人の中国人従業員が毎年増えていることから、住宅需要も1万~1.5万戸新規需要が発生していると述べています。
リスクはないのかという問いに対しては、政府の方針次第と答えています。
私もなぜこれだけ急速にPOGO業者がフィリピンに上陸しているのか不思議に思っていたのですが、アジア諸国でこのオンラインカジノ業を認めているのがフィリピンだけだという事のようです。
政府の方針の一つとして、下の記事でもあるように、POGOだけ税率を高く設定するなどすれば、他のアジア諸国に逃げて行ってしまうだろうと警鐘を鳴らしています。
もしその逆流が始まってしまうと、フィリピン不動産業界に対する影響は甚大になると考えられます。
オフィス市場から住宅市場並びに中国レストラン・中国人向けサービス店舗(食材店・美容室・旅行会社等)と、まだまだ不動産開発が進み供給が続く中で需要が減退すると空室率は10%程度に達し、借手市場に戻る可能性が否定できません。
またフィリピン人と中国人は領有権問題・漁船の追突沈没事故と話題を欠くことなく、政府が反中国の動きを取る土壌が出来ている事がとても気掛かりです。
(対して、フィリピンはとても親日国です。)
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