首都マニラが3月13日に封鎖され、4月12日までの1か月間とされた期限までの最後の週を迎えたマニラですが、大統領が先程4月30日までの延長を決めたという報道が入りました。
本日時点でのフィリピンでのコロナウィルス患者は3,660人で、死亡者数は163人となっています。1日毎に200~300人増えていましたが徐々に増加に歯止めが掛かりつつあるかと思っていたところ、本日414人の増加と希望を打ち砕く数字であることも後押ししたのかもしれません。
(下の新聞は4月6日のものです。)
なお、報道によると今まで22,958人の検査が行われ、16,615人(82.7%)が陰性で3,414人(16.9%)(*総数・比率に差が生じています)との事です。
現在の厳しいメトロマニラの封鎖を延長するかどうかの判断基準として、
・コロナ患者の増減傾向
・病院の受け入れ態勢
・フィリピン経済
等を挙げていましたが、やはり患者の増加傾向に歯止めが掛かっていないのと、検査キットが十分に確保され来週から多くの検体が行われ更なる患者数の増加が見込まれることを考慮して判断したものと思います。
なお、フィリピンの場合多くの貧困層・日雇い労働者を抱えることから、その延長により更なる貧困・社会的混乱を招きかねないというとことをどう対応するかも必要となります。
実際、この自宅待機政策に反対する抗議者団体が先週逮捕されましたが、大統領からそのような抗議者に対して「射殺しても良い」という脅し文句が出ています。フィリピンの場合、大統領はなめられてしまうと国民は従わないので、そのくらい強い言葉が必要なのかと思料します。
経済活動については、実生活感としてレストランにてデリバリーを行うお店が増えてきているのと、BGCへ入る検問所において、体温検査のための車の渋滞の列が日々長くなっている事から、日中の車及びバイクの数は確実に増えてきていると感じます。
スーパーマーケットは先週は入店までに1時間を要しましたが、今週はほぼ待ち時間なく入店出来、またレジ待ちも無くなりました。品揃えは欠品しているものを多いですが、安定的に補充されており生活に支障はない状況です。
しかしながら、上記以外の経済活動はほぼ行われていません。
4月3日に発表されたアジア開発銀行の2020年GDP成長率予測によるとフィリピンの今年度の成長率は、
「+2.0%」と前回の見通しの「+6.2%」から4.2%減少しています。
海外で働くフィリピン人からの送金により旺盛な個人消費がなされ高成長しているフィリピンですので、その海外勤務者・消費の両方ともコロナウィルスで大打撃を受けることから、GDP成長率の大幅な減少につながっているものと思料します。
(2021年予測は「+6.5%」)
本日決定した封鎖延長により、更にGDP成長率が落ちる可能性が有るかもしれません。
最後に話題を変えて、野村不動産が開発を進めるBGCの三越伊勢丹が入居するコンドミニアム:Sunshine Fortの写真をお届けします。
低層階のガラスファサードと店舗用の駐車場と思われる中層階を縁取る唐草模様の格子の設置が進んでいましたが、当工事現場も現在ストップしているようでした。
マニラ封鎖解除後の不動産市況についても、随時アップデートしていく予定です。
仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)