フィリピン_IMFによる2020年GDP成長率は?

マニラ封鎖となり1ヶ月以上を経過しました。

4月15日現在における新型コロナウィルスの患者は5,223人、死亡者数は335人となっています。患者数に対して死亡者数が多いのは、フィリピンの医療体制が盤石ではない事によるものと考えられますが、そのことを十分に理解して早めにロックダウンを宣言した大統領の判断は迅速であったものと思います。

なお、患者数が少ないのはロックダウンを早めに実施したことによる効果が出ていると思いたいですが、前回の記事(詳細はこちら)でもお伝えした通り23,000件程度しかPCR検査していない(日本は、4月12日時点で77,000件)事によるものが大きいと感じています。

ロックダウン解除の4月30日までにPCR検査体制を整えて、大規模に実施していくとの事ですのでその後の推移を見守っていきたいと思います。

 

なお閉鎖延長後のボニファシオグローバルシティの様子ですが街中の大きな変化はありませんが、車の数・仕事で出歩く人の数は確実に増えてきていると感じます。

しかしながら、今後二度と出くわすことのないような光景も続いています。

 

 

さて、IMF(国際通貨基金)が4月14日に2020年の経済成長予測を更新したレポートが出されました。

新型コロナウィルスの影響を受け、世界全体の経済成長率を1月の予測 +3.3%から▲6.3%下げて、▲3.0%へと大幅下方修正し、世界大恐慌以来の経済悪化の可能性が有るとコメントしています。

彼らの予測が正しいとすると、年率3%前後成長を遂げてきた世界経済は2020年にリセッション(景気後退)となります。

なお、コロナウィルスの封じ込めが奏効すれば2021年は+5.8%の高成長を遂げられるとも見ています。

 

 

フィリピンの経済成長予測を見てみると+0.6%と辛うじてマイナスにはならないという予測です。
(アジア開発銀行による予測は+2.0%。詳細記事はこちら参照)

リーマンショック時の2009年においても、GDP成長率が+1.1%とマイナスに陥らなかったフィリピンですが、その当時以上に経済的なダメージが大きいものとIMFが現時点で見ているようです。

 

対して我が国日本のGDP成長率予測は、1月の予測 +0.7%から▲5.9%下げて、▲5.2%とリセッション入りと見ています。この数字はリーマンショック時の2009年の▲5.4%に匹敵するリセッションとIMFは予測しています。

 

 

2020年は世界的な景気後退が確実視される中で、フィリピンは中央銀行の政策金利がまだ3.25%あるため更に下げる余地があります。

一般的に不動産の購入は、ローンを調達して購入することからその金利が及ぼす不動産価格への影響はとても大きいです。

 

ロックダウン解除後において、

・資金不足の為に中国人・外国人投資家によるコンドミニアムの投げ売りがあるのか、
・景気後退とはならずともフィリピン人海外勤務者(OFW)の失職・景況感悪化により不動産価格は下がらないと言われているフィリピンにおいても価格下落となるのか、
・あるいは金利低下により買い時到来と判断して価格が維持or上昇するのか

について今後も注視していきたいと思います。

 

仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
仲田 一成 (なかた かずなり)

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