フィリピン_オンラインカジノは再開OK ?

オンラインカジノ業(POGO)の再開に関して、騒がしくなってきました。

 

背景としては、当初ロックダウンは1ヶ月を見込んでいたところ現状2ヶ月まで延長が確定している中で、貧困世帯への給付金(5千ペソ~8千ペソ)支給対象の拡大(1,800万人→2,300万人)・労働省からの雇用を続ける企業の従業員への給付金の増大等、莫大な政府資金が必要になっている中で、手っ取り早く多くの税金を徴収できるオンラインカジノ(POGO)に白羽の矢を立てたという事です。

 

更に1日でも早くお金の欲しい政府は、オンラインカジノ業はフィリピンの主要産業であるBPO業(Business Process Outsourcing)であるとも言えるという拡大解釈(*ロックダウン中でも、BPO業は営業が認められています)することで、明日からでも営業開始許可を出したいと声明を出したところ、各方面から早急な結論に至るべきではないという声が上がっています。

 

税金に関する問題点として、BPO業として認めてしまうとカジノ業に課されている5%のフランチャイズ税とライセンス料を支払う必要がなくなり、今後も一度BPO業として認められた事実を元に支払いを拒む根拠を与えてしまうのではと危惧しています。

現在、60社にライセンスを付与していますが、殆どが未払いで2019年時点で₱500億にもなるが、税務署も上手く徴収出来ていないという現状があります。

 

2016年末からフィリピンにオンラインカジノ業が入り始めてから、犯罪の温床となっており目の敵になっておりますが、(徴収漏れが多いですが)税収と不動産業への好影響(オフィス&住宅需要)があるため、政府としても中国からの圧力にもかかわらず禁止できない状況が続いています。

 

 

BPO業以外からのオフィス需要は期待出来ず、またPOGO業は渡航禁止措置の早期解除が見込めない事から中国人が入国できず事業拡大が出来ないことから2020年末には事務所の空室率は5.5%(+1.2%)に上がり、賃料も▲17%下がり₱850/㎡と悪化すると予想されています。

2017年当時のフィリピン不動産市況悪化を食い止め更には上昇へを導いてくれた時と同様に、今回もコロナショックからの回復の鍵となるのは、やはり新規賃貸需要を最も生み出すまでに成長したPOGO業となるでしょう。

(住宅需要もこのPOGO業に大きく依存しています)

 

POGO業がフィリピン不動産市況に与える影響はとても大きいことから、今後の不動産市況予測を見るためにはこのPOGO業に対する政府の方針を確認しておく必要があると考えています。

 

 

仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
仲田 一成 (なかた かずなり)

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