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フィリピン_アヤラランド コロナにより売上29%減

   

6月1日からメトロマニラ地域も、多くのビジネスが営業できる制限(GCQ)へと移行することを決めました。

このグリーンライトが点灯したことで、多くの企業が営業再開できる状況となります。

残すは、カテゴリーⅣのスポーツジム・旅行業・エステ・マッサージ等を人との距離が近い分野と美容院・レストラン(Take outのみ)となりますが、メトロマニラ地域においてこれらの業種の解除には最低1か月は掛かると思います。
(大型レストラン・ジム施設の閉鎖が心配です。)

 

多くの不動産会社・仲介会社も業務再開となりますので、実際の不動産取引が始まります。

マーケットの雰囲気としては、長すぎたロックダウンにより不況感が蔓延していますが、実際の不動産価格市場にどのように影響を与えてくるかが、徐々にはっきりしてくるのではないかと思います。

 

 

さて、表題のフィリピン最大手のアヤラランド(Ayalaland)より、コロナ閉鎖期を含む四半期決算を発表していますので、内容を確認していきたいと思います。

 

2020年の第1四半期(1月~3月)の売上(単位は百万ペソ)を前年同月と対比する形でグラフにしています。

 

全体として、▲29%の大幅な減少となっています。

アヤラランドより本件減少の理由として

・ロックダウンによる経済活動の停止

・1月に発生したタール火山噴火による建設活動の停止

を挙げています。

 

数字を詳細に見ますと、やはり住宅販売が39%下落していることによる金額の大幅減少と、下落率としてはオフィス販売が68%減少しています。
またショッピングモールの閉鎖による賃料減少で賃料収入も大きな金額の減少につながっています。

 

下の円グラフにて項目別の売上割合を示していますが、住宅販売が約50%占めその他の販売を含めると62%となり、対して賃料・運営収入は約31%の構成となっています。

 

結果、税前利益は住宅販売の減少率と同率の39%下落を記録しています。

 

ロックダウンは3月16日から出すので、とは言っても第一四半期は大きな痛手を被っていないとも言えます。

問題はロックダウンによる営業規制の営業を大きく受ける4月~6月の第二四半期がどのような数字となってくるかという事でしょう。

右肩上がりで売り上げ増加を記録してきた同社ですが、年間を通してどの程度のインパクトとなるのか、不安に感じています。

 

 

なお、同報告書では住宅販売の国籍別金額(単位は10億ペソ)が出ており、コンドミニアムと戸建が含まれています。

2017年から公表が始まった比率をグラフにしてみると、過去2年は地元フィリピン人が70%を購入しており、海外で働くフィリピン人が10%強取得し、残りの15%強を外国人が取得しています。
(2020の第1Qもほぼ同様)

 

コロナの影響により1千万人と言われる海外出稼ぎフィリピン人の一部が解雇等により、現在フィリピンに帰国してきています。

経済機関のレポートでは、彼らからの送金額は10%~13%程度減るのではないかと予測されていることからも、この層の不動産購入も減るものと見込まれています。

 

その外国人取得については、国別の割合も発表されています。

1位の中国人が40%~50%の半分程度を占め、2位のアメリカ人は15%~23%となっており、3位以降は色々な国の人(シンガポール・香港人・台湾人・韓国人)が入れ替わっています。

 

個人的な見解ですが、中国人はValue for Moneyという物件立地・建物クオリティの良さにも関わらず割安となっている物件を購入するイメージがあるのですが、この高級ブランドを有するアヤラランドの物件についても中国人が寡占していることがデータでも把握できます。

アメリカ人は、歴史的な点と英語でビジネス絡みで関係のある人が購入しているのではと思料しますが、これ程多く購入しているとは思っていませんでした。

 

 

ちなみに、日本人は3%前後のシェアで5位前後を移動している感じです。

中国と日本では人口の差が11倍違いますが、1人当たりのGDPですと日本は中国の4倍ある事を考えると、購買力のある日本人がもっと物件を買っていても良いような気がします。

或いは自国を信じられない中国人が、資金を海外に逃避させる傾向が強いことを反映してフィリピンにおいても不動産を買いあさっているという事でしょうか?

 

最後に日本不動産研究所から出されている国別高級マンションの価格比較表を添付しておきます。

マニラは含まれておりませんが、数値として「20」程度でしょうか?

 

仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
仲田 一成 (なかた かずなり)

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