やはり不景気の時にしか、プライムロケーションの土地取引は行われないという格言通りとなるのでしょうか?
マカティ超中心部である、アヤラ通りとマカティ通りの交差する一角の土地建物の取引が行われました。
向かいには、シャングリラホテル・斜め向かいにはペニンシュラホテルが立地する場所です。
その好立地に関わらず、何が建っていたかなぁとはっきりと覚えのない方の方が多いかと思います。
そうです、古めかしいビルが建っているだけで立ち寄る事も無いので記憶に残っていないのでしょう。
(グーグル写真参照)
物件概要を記載します。
売主:PLDT(日本でいうNTTです。Smartという名称で携帯電話事業を展開)
買主:DMC Urban Property Developers(低価格帯のコンドミニアム等を供給するディベロッパー:DMCIと同じ母体の Consunji group)
対象:土地 2,400㎡(780坪) 建物:36階建の古ビル2棟
取引価格:約50億ペソ(約108億円)
土地取引単価:208万ペソ/㎡ (約1,488万円/坪)
となります。
以前、マカティスポーツクラブの土地取引の記事(詳細はこちら)を書きましたが、その時に使ったLeechiue社による土地相場では2018年末時点で120万ペソ/㎡が上限水準であると書いてありましたが、コロナの影響により本年度は15%下がると言われている中で、200万ペソ/㎡越えの取引は超一等地であることを示しているものと思います
PLDTはその古ビル「Ramon Cojuangco Building」の再開発をコロナの影響により延期している中で、本業の通信事業への資金調達の為本ビルを売却したとコメントしています。
この取引を見て、当時勤めていた皇居のお堀横のAIGビルがリーマンショック後の2009年に日本生命へ売られた事を思い出しました。
なお、PLDTは売却後引き続きリースバックで残ると書いてありますので、本2棟ビルの建て替えは暫く後になるのではないかと思います。
最後にフィリピンの場合、このような大型案件の取引の場合、Philippine Competition Commissionと呼ばれる(日本でいう公正取引委員会でしょうか?)組織から許可をもらわないと取引出来ない仕組みとなっているようです。
審査基準としては、当該取引によりオフィス賃貸市場が寡占化により自由な取引が制限されないかを見ているようです。
仲田リアルエステート㈱
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