Dot Propertyより2022年上半期のメトロマニラコンドミニアム市況レポートが出されました。
早速見ていきましょう。
Dot Propertyでは物件問い合わせをベースに賃貸/売買需要を統計としてまとめており、2022年の1月~3月と4月~6月との比較した不動産需要が下図の通り増えたと述べています。
メトロマニラ全体
地域別
特にマニラ市での需要が急増していることがうかがえます。
場所別需要
場所別に見ますと、
No1:BGCを有するTaguig
No2:Makati
で約45%を占め、続いてケソン市の順となっています。
あれ、どこかの地域がランキングに入ってくるべきではと感じませんか?
そうです、中国人が多く居住する湾岸地域(Pasay)の割合が最も低い3.7%しかありません。
下の図は、2021年末時点でのコンドミニアム総供給数を示すものですが、湾岸地域、Bay Area(Pasay)は総供給数でNo2(30,260戸)に位置していることから、需要についてもそれに比例してNo2ないしNo3に位置するのが本来であると考えられます。
このDot Propertyの需要統計からも、中国人がまだフィリピンに戻ってきておらず、結果中国人が多く住むBay Area(Pasay)の賃貸/売買需要が低迷していると推測できます。
続いて、地域別の月次不動産需要並びにその価格帯別需要が出ていましたので、わかりやすいように横一列にして比較してみました。
不動産需要
どの地域も1月以降増加傾向を示しており、特にTaguigの需要が突き抜けて増加していることが見て取れると思います。Makatiの需要がそれほど増加していないのも、前述した中国人からの需要が回復していないことによるものではないかと思料します。
価格帯別需要
価格帯別需要については、非常に興味深いです。
まず、Makati、Taguig以外の地域は5百万ペソ以下の物件が需要の80%程度を占めており、10Mを超える需要はほとんど見られないことが分かります。
Makatiについては、いづれの価格帯も満遍なく需要があることを示しています。
Taguigについては、5百万ペソ以下の物件需要が最も低く2,000万ペソ(約49百万円)~5,000万ペソ(約1億22百万円!)が主要価格帯という驚きの高価格市場となっています。
背景としては、BGCには多数のインターナショナルスクールがありその家族向けの100㎡を超えるような大きな部屋(2BR・3+BR・下図参照)の需要が2/3を占めるという特殊性があります。
以上、ざっと本レポートを見てきました。
これらの都心部の不動産需要の背景を考察してみると、フィリピンでは多くの従業員がそのスペース・インターネット環境等から在宅ワークに適していないことから、結果在宅ワークは定着しなかったと感じています。
したがって、行動制限緩和に合わせてコロナ前と同じように通勤するようになり、時間的メリットの高い会社の近くに住む需要が回帰してきたことから、本レポートの示す通り都心部の不動産需要の回復につながっていると考えられます。
また、Makati、BGCの高額物件については、コロナ開国に伴い外国人駐在員が戻ってきている証左が数字として表れてきたのだと思います。
現在新規で投資検討をされる場合、円安となっていることから投資に二の足を踏んでいる方も多いのではないかと思います。一方で、コロナ禍という世界的な経済試練がフィリピンコンドミニアム価格を下落させ、投資チャンスを作ってくれたとも考えられるのかもしれません。
今後フィリピン経済が回復&成長する中で、コンドミニアムの価格&賃料がどのように回復していくのか、期待して見ていきたいと思います。
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