Colliers フィリピン不動産最新マーケット情報(2016年第1Q)その2

前回に続き、今回はオフィスビルの市況について記事を書きます。

コンドミニアム(住宅)については、供給過多のよる市況悪化傾向があることをお伝えしましたが、オフィス物件についてはどうなのか見ていきたいと思います。

その前の土地価格についてもこちらで記載したいと思います。

Land value 1Q2016

上のグラフの通り、3地域すべてにおいて土地価格の上昇は続いており、1年後の予測でも5%~7%程度上昇するとコリアーズでは見ています。

マカティの土地価格は、391万円/坪(2.26円/ペソ計算)です。日本との比較ではどうなのかと見てみると、2016年地価公示価格の住宅地としての東京都中央区の平均:367万円/坪よりちょっと高い水準です。

3年も経たないうちにボニファシオグローバルシティに至っては1.74倍に跳ね上がってますので、AYALAの開発力はすごいものがありますね。

①オフィス賃貸市場

Office Rental Rates_2016Q1

新規のオフィス供給に伴い、賃料の伸び率は徐々に下がっているものの経済成長に伴う、特にBOPオフィス需要の拡大傾向が続いている模様です。

(円ベースでは為替が変動しているので市況をつかみにくいですが、プレミアムオフィスで概ね10,000円/坪とお考え頂ければ結構かと思います。)

それを裏付けるように、空室率は非常に低いまま(プレミア物件は1・06%の低さ!です)であり賃料を上げる余地が残されていることがお分かりになるかと思います。

(コンドミニアムは空室率増加による賃料減少となっているのと正反対です)

Office vacancy rates_2016Q1一般的に空室率が5%を下回ってくると、貸主優位なマーケット環境となりますのでオーナーは賃料を上げて賃借人の募集を行いますので(賃料を下げてまで物件の稼働率を上げるインセンティブが働かない)、賃料は上昇傾向を示します。

②オフィス売買市場

Office Capital value_2016Q1

賃料の上昇率以上に物件価格の上昇が上回って増加しており、前期より4%~5%の増加率、また1年後も年率9%~10%の増加をコリアーズでは予測しています。

 

考察

フィリピンの経済成長が続くと考える投資家であれば、旺盛なオフィス需要は今後も続くと考えられるので投資すべきアセットタイプはオフィス(事務所)であると思います。

一方で、世界的な経済減速あるいはフィリピン国内要因による経済減速があるのではないかと考える投資家であれば、空室率=賃料&価格のボラティリティ(上下幅)はコンドミニアム(住宅)よりもはるかに大きいので、住宅を好まれるかもしれません。

 

投資家自身の投資戦略・投資目標リターンは異なってきますので、正解は無いですが、個人的にはプレミア物件に投資するのであればオフィスのほうが分があるように思えます。

なお、以前の記事でも書きましたがオフィスの購入可能物件数は非常に限られます。また最低売買価格も4,000万円からスタートとなるような、高額物件が前提となりますので入口のハードルは高いです(公庫のローンもオフィスとなると更に難しいかもしれません。次回面談の際にさらっと聞いてみます)。

また売却時についても、購入検討者はコンドミニアムと比較するとはるかに少ないので、売却期間は長く要するとともに何らかの事情で売り急ぐ必要がある場合は買いたたかれる恐れがあることも、オフィス購入に際して留意頂ければと思います。

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