フィリピンオフィス最新レポート(2016 4th Quarter)

住宅に関する最新マーケット情報(こちらを参照)に続き、オフィスについて報告申し上げます(出典:Colliers)。

結論から先に申し上げますと、マニラのオフィス市況は好調であり、今後1年間もこの好環境を維持すると見ているようです。

(以前のPWCの記事オフィス市況が好調であることを述べています。)

好調なポイント

①IT(Information Technology)業界、BPM(Business Process Management)業界並びに海外のゲーム産業からの豊富なテナント需要(2016年第4Q:約47,000坪)があり、前年比8%の需要増が期待される

②今後1年内の新規供給は約270,000坪と少ないはないが、経済成長による需要を反映し、空室率は横ばい程度を想定

③賃料は増加傾向であり、今後1年間で7%超の増加が見込まれるプレミアタイプ)

④売買価格も6%超の増加予測(プレミアタイプ)

P1000645

 

住宅とは異なり、美しい想定となっていることがお分かりになるかと思います。

 

③④を詳しく見ていきますと、

賃料はすべてのグレードで上昇しますが、CBD(中心部)で無い地域の方が、現行賃料が低い分伸び率は高いと述べています。街並みが綺麗な湾岸地域は伸びしろが高いと個人的に思います。

office_2016Q4

 

④売買価格についても同様、全グレードで上昇予測となっています。

office_Capital_2016Q4

新しい会社ができ、新規の賃貸需要が増えるオフィス市況を見るに、新たに必要とされる人が増えるので、住宅(コンドミニアム)の賃貸需要も増えていくものと考えられますが、

お伝えの通り、住宅市況はそうなっていません。

理由としては、やはり新規需要を大きく上回る新規供給だと思います。

また多くの従業員は給料が増えているとはいえ、まだまだ高級物件を借りられるほどの収入は得ていないでしょうから、通勤で2、3時間浪費することは分かっていても、郊外の実家から通い続けざるを得ないのでしょう。

なお、アヤラグループを含めフィリピン不動産会社は住宅部門の売れ行きが鈍るなかで好調なオフィスビルを造った方が儲かることから、都心部で更地があった場合、中期的にはオフィスビルを造る(住宅を造らない)傾向が高まるでしょう。

この傾向が続けば、住宅市況も需給が逼迫して、更には都心部での高級コンドミニアムの希少性は高まっていくのではないかと考えています。

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