以前、中華資本で進めているマカティ市内を周る地下鉄駅候補についてお知らせしました(詳細はこちらを参照)が、駅の場所選定に関して交渉が難航している模様です。
しかも、その場所変更の可能性が有る駅が
「Ayala(アヤラ)駅」
と
「Paseo De Roxas駅」(アヤラトライアングルとの交差点)
です。
2つの駅の場所を地図で確認します。
「Ayala(アヤラ)駅」*正確にはアヤラ通りとEDSAとの交差点
「Paseo De Roxas駅」
地図で確認頂いた通り、この2駅の場所は現在のマカティのオフィス並びに商業の最も中心であり、この2駅無くしてマカティ地下鉄の利用価値は大きく下がる可能性を秘めています。
しかもアヤラ駅においては、現在バスターミナルも含めた「One Ayala avenue project」という名称で複合開発が進められており(詳細記事はこちら)、駅利用者にとっては乗り換えに便利となることは確実です。
具体的な問題点として下記の事項が挙げられています。
・アヤラ通り沿いには既に多くの地下構造等が建設されているので、地下鉄工事が難航することが予想されること。
・「アヤラ駅」の場所には道路の立体交差があり、地下鉄駅工事期間中にその立体交差の閉鎖等をしなければならない事による激しい交通渋滞が発生すること。
では、その代替候補駅として挙げられているのが、
「Mile Long(マイルロング)building」
て、聞いてもピンとこないかと思いますが、リトル東京の北側にある道路沿いの白い低層店舗ビルです。
この場所とする場合の利点として下記が挙げられています。
・スカイウェイ(高速道路)により空港へのアクセスが優れる
・国鉄「Buendia」駅から300mと至近であること
・地下障害物が少なく、工事が容易である事
・隣地にも空き地があり、敷地の確保が容易である事
マイナス点としては、洪水が発生しやすい地域であるのと、工事の際の小川の水をどの方向に逃がすかが挙げられていますが、地下鉄利用者にとっては、その立地自体が最もマイナスな点でしょう。
もしこの場所で駅が確定した場合、歩くことが嫌いなフィリピン人はマカティ消防署で電車を降りて、アヤラ通り沿いからバス・ジープニーに乗り換えるという今までと同じルートが一般的にマカティ市街地に向かう方法となり、このマカティ地下鉄の利用価値が大きく損なうのではないかと危惧しています。
アヤラ通り沿いに地下鉄を通すかどうかを話し合っている相手は、行政(マカティ市)ではなくアヤラグループという事ですので、アヤラの権限は絶大なものであることを改めて感じさせれます。
地下鉄建築の困難性及び費用また工事期間中の交通渋滞に関する専門的な知識を私は持っていないので言える立場では無いですが、一利用者として、またフィリピンの交通渋滞解消並びに利便性の高いインフラ設備を進めるためにも、アヤラ通り沿いの2駅が建設されることを切に願っています。
仲田リアルエステート株式会社
Mail:nakata.re@philipinvest.com
代表取締役 仲田 一成 (なかた かずなり)