コリアーズの前四半期レポートにおいて(詳細はこちら)、コロナのロックダウンによりコンドミニアムの買い時が来る?とお知らせしましたが、同社より4月~6月のコロナ真っ只中のレポートが発表されましたので、共有したいと思います。
まず供給数ですが、ロックダウンによる
・労働者が現場に来れずマンパワーが不足したこと
・ソーシャルディスタンシングにより、現場に入れる労働者の数が限られたこと
により工事が進まなかった事に加え、ディベロッパーが売却できていない在庫マンションが累積してきている事を危惧して、販売をしない対応を取っている事で、この四半期は(当初1,100戸の供給想定)全く供給されませんでした。
当供給は今年の第4四半期に後ずれし、今年2020年は6,720戸の供給に留まる(当初は10,940戸)とコリアーズは見ています。
では需要はどうかと言いと、
第2Qの空室率は、11.8%と前四半期の11.3%と比較して数字上微増程度であるが、まだまだロックダウンの悪影響を反映した数字とは言えず(例:ロックダウンによりリーシングを遅らせている)今年末には14.6%まで悪化するものと予測しています。
既に公表されている経済指標を見ると、
・GDPは1~3月期が▲0.2%、4~6月期が▲16.5%と統計以来最大の下落率を記録
・海外労働者(OFW)からの送金が過去19年以来の低い金額(前年比▲16.2%)となっている。
経済の悪化を知らせるデータが出て来ています。
また現時点でほぼ外国人の入国が禁止されている事もあり、新規オフィスの大口顧客であるオンラインカジノ業(POGO)の新規需要が期待出来ない事から、そこで働く従業員の住宅需要も限られます。
以上を元に今後のコンドミニアム価格&賃料の動向予測です。
コンドミニアムの価格は、
現在の230,000ペソ/㎡が年末に200,000ペソ/㎡(▲13.8%)に下がると見ています。
前レポートでは▲15%と見ていましたが、供給数が減少することによる見直しをしたと述べています。
新築物件で10%~15%の割引やより買いやすい取引条件を買手にオファーしていくものと考えているとも述べていますが、この価格下落がそのまま中古市場に適用されるのかは定かでは無いです。
一方で今年後半からは、政府の支援もあり経済が回復傾向となるであろうから、来年は+2.1%上昇の208,000ペソ/㎡を見込んでいます。
賃貸市場は、年末までに▲4.5%下げて737ペソ/㎡となるが、売買同様来年以降は+2.3%上昇し元の水準に戻すと予想しています。
以上を考えますと、このレポート上では今年年末ないし来年初頭にコンドミニアムを買うというのがベストな時期と見えます。
一般論として、景気というのは言葉の通り「気」なので経済の回復気配を感じると売主は将来の価格の戻しを期待することから、大きな値引きが期待しづらくなるという事実もありますので、このコロナ禍の危機においてフィリピン不動産を検討されている方は、マーケット動向を注記しておくことをオススメします。
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仲田
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