フィリピン_中国のオンラインカジノ業(POGO)はどうなる?

発端は、主に中国人同士による誘拐等の犯罪がフィリピンのTV・新聞等のメディアで取り上げられたことであると感じています。

世論に敏感な政治家は、
・オンラインカジノ業(POGO)を他国同様に禁止にすべきではないか、

一方で経済団体からは、
・今すぐ全て禁止にしてしまうと不動産業のみならずフィリピン人の解雇(23,000人)にも繋がることから猶予期間を設けるべきだ、

または折衷案的な
・犯罪行為等を行っているのは登録されていな違法なPOGOなのだから、適法なPOGOはそのままで違法なPOGOを取り締まるべきだ、

などと、様々な意見が飛び交っている状況です。

 

また、前政権のドゥテルテ大統領は中国寄りの政策であったことから、マルコス政権としてはその違いを出すために中国と離れた政策を出す必要があるという背景もあるのではないかと感じています。

 

今後どうなるか予見できませんが、コロナ禍前に不動産市況をけん引していたオンラインカジノ業について、不動産会社のLeechiu、コリアーズからのコメント・記事を参考に確認したいと思います。

 

ドゥテルテ大統領が就任した年である2016年からPOGO業の進出が始まり、

Leechiuのデータでは、168万㎡

コリアーズのデータでは、130万㎡

のオフィス床が賃借され、メトロマニラ全体の賃貸可能床の11%を超える割合を占めたと述べています。

 

具体的にどの地域に入居したかについては、Colliersの資料から読み取ることが出来ます。皆さんの予想通り、湾岸地域がその面積の過半を占め、マカティ周辺部・アラバン・ケソン市・オルティガス等に入居したことが分かり、またBGCはほぼなかったことも分かります。

 

その旺盛な賃貸需要のおかげで、湾岸地域のオフィス賃料は1,500~2,000ペソ/㎡と高騰し、他のどの地域よりも高くなったと記述されています。

 

おごれる平家も久しからずということでしょうか、その後2020年3月からコロナ禍のロックダウンが始まり、外国人(中国人)の入国禁止が始まり操業が難しくなったことに伴いその借床面積を減らしてきていることが、以下のColliersの図より分かります。

なお、現在はPOGOからの新規需要も生まれてきているようですが、その面積は僅かです。

 

Leechiuのデータでも返却した床面積はほぼ同数値のようですが、Colliersのデータでは現時点で既に約半分を返却済みであることを示唆しています。

 

その結果、湾岸地域の現在の賃料は500~600ペソ/㎡最大▲75%と激しい下落に直面しています。

 

以上、POGOの進出から現時点までのオフィス賃貸市場を見てきましたが、本題のPOGOが禁止となると更に66万~1百万㎡のオフィス床が解約ということとなり、不動産市況に甚大な被害が発生するとLeechiuは警告しています。

 

以下のグラフは、同社によるPOGO撤退に伴う経済的損失を図示したものですが、合計年間1,900億ペソ(4,750億円)と見積もられており、オフィスの賃料減少よりも従業員による住居賃料損失の方が金額が大きいことが見て取れます。

 

以上、ざっとPOGOの進出と撤退による不動産市況と経済的損失をざっと見てきましたが、さすがに今すぐPOGO全面禁止とする経済的損失並びに不動産市況への影響は甚大(*特に湾岸地域は死活問題!)です。

今後の動向を推測するに

①違法なPOGO業者を廃業させ、その従業員等を中国へ強制送還(4万人!と言われており、フィリピンに滞在する全邦人より多い人数です。)

②合法POGOのみ営業を許可し、中国人による犯罪が沈静化するのを待つ。

③沈静化後、世論のポジティブな反応を受けて、合法POGOのみ生きながらえる政策とする。

というのが、考えられる現実的なシナリオかと感じています。

 

それでも犯罪が減らない→POGOを撤退させざるを得ないという政治的判断となった後の不動産市況回復には、POGOが勃興した2016年~2019年と同じくらいの年月が必要であると思います。

 

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